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音楽ジャンルの多様化に対応して、商品展開も異なるプレイスタイルに向けて拡充されていく。機能豊富なSTAR HARDWAREやシンプルなThe Classic Stand、省スペース性を追求したClub-JAM Kitなどがその好例。また、楽器だけでなく周辺商品にも力を入れ、アクセサリーやバッグなども展開が広がる。SNSの発達により消費者との距離が近づいたことで、より彼らの音楽ライフを総合的にサポートする姿勢が求められる時代なったと言えるだろう。

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  多くのドラマーを悩ませる、ドラムセットの“設置スペース”と“機材の移動”を解決する方策の一つとして考案されたキット。立奏式のカクテルドラム自体の歴史は意外にも古く、20世紀半ばにはすでに登場している。Cocktail-JAMの目新しさは、普通のドラムセットのようにドラムスローンに座って叩くことができる点にあった。立奏式のカクテルドラムはフロアタムとバスドラムを一つの長いシェルで兼用することが多いが、このキットではバスドラムとフロアタムを独立したシェルで構成することで、フロアタムの打面を低くセットできるようになった。それにより座った状態でも演奏できるようになり、通常のドラムに近い演奏感をもたらした。 その上、TAMAのお家芸とも言えるクランプを活用することで、スタンドを立てることなくシンバルまで含めたフルキットをセットできる拡張性を実現したことも見逃せない。
  また、この“Cocktail-JAM” Kit以降、コンプリートキットがバッグに収まる設計が踏襲されており、あらゆるシチュエーションにドラムを持ち運んで演奏できる楽しさと便利さを提供し続けている。

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  堅牢にして剛健。厚めの脚板と太いパイプ径による重量がもたらす圧倒的な安定感により、プロフェッショナルの現場で高く評価されているハードウェアシリーズ。もちろんその特徴は重量感だけではない。無段階に、そしてあらゆる方向にシンバルを動かすことができるシンバルティルターやブームアーム、従来のLロッド方式を上回るタムセッティングの幅を実現したJ字型ロッドを使ったタムホルダーなど、TAMAが持てる機能をすべて投入した“スーパーハイエンド”と呼ぶに相応しいユニークで豊富な機能は、今もなお他の追随を許さない。
  また、それらの機能に埋もれがちだが、STAR HARDWARE独自のコンセプトの一つがシンバルやドラムへの影響についても掘り下げたことだ。シンバルフェルトやダイキャストジョイントに施された諸機能により、スタンド自体を安定性のある構造体の一つとすることで余計な振動を削減。楽器が持つ音色をより自然に得られるようになっている。これもまたアーティストから高い評価を受けている理由の一つである。

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  レコーディングやライブステージなど、プロフェッショナルな現場での使用を想定して開発されたハイエンド・マイクスタンド。最上位モデルであるIron Works Studioシリーズは、スタンドの振動によるマイクの集音機能の低下を防ぐために徹底した安定性を追求しているのが特徴。一方のIron Works Tourシリーズは、ライブステージでの使用を想定し、スピーディな位置調整やセットアップ、ティアダウンのしやすさと安定性を両立しているのが特徴だ。
  TAMAのマイクスタンドの歴史は古く、1980年代初頭のカタログには既にその姿を見ることができる。当時はドラムやハードウェアの分野でのポジションが確立しておらず、ビジネス分野の多角化を目的として企画された商品だった。しかしながら、30年を超える技術やノウハウの蓄積を元に、少しずつだが確実にその品質や機能、そしてそれらに裏打ちされた評価を高めていった。
  このIron Worksはその結晶であり、PA業界でTAMAの存在感を高める主力商品となっている。

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  1993年の発売依頼、時代時代に合わせて進化を遂げて来たIron CobraとSpeed Cobra (2010年発売) が大きな変貌を遂げたモデル。
  一見して目を引く変更点は、コブラ・ペダルの象徴とも言えるビーターヘッドの形状。バスドラムヘッドを面で捉えて力強いアタックを得るというコンセプトはそのままに、ビーターヘッドの重量バランスを見直すことでバスドラムを撃ち抜くようなソリッドな鳴りを実現した。しかし、その変化はビーターヘッドに留まらない。軸回りの構造の見直しやフレームの設計変更、スプリングの固定方法の変更など、細かな設計の変更を積み上げることで「コブラペダルらしい踏み心地」は残しつつも、全く別のペダルかと見紛うほどの操作性の向上を成し遂げている。
  かつてコブラ・ペダルと言えばハード・ヒッターの代名詞であったが、今ではジャンルを問わず幅広いプレイヤーから支持される押しも押されもせぬ名機となっている。

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  ドラムの運搬に使用するケースは、大別すると樹脂などで作られた硬質のハードケースとナイロン製のバッグの二つに分かれる。バッグはその軽量さと手軽さゆえに重宝されるが、楽器を保護する目的としては硬質で重いハードケースの方が好まれるという状況が長年続いていた。
  ところが2000年代に入ると、Cocktail-JAMやClub-JAMのようにコンパクトなドラムを様々な場所に持ち運んで演奏したいという需要が高まるにつれ、バッグの持ち運び安さが好まれるようになってくる。この潮流に応えることになったのがPOWERPAD®ドラムバッグだ。
  壁面の内部に硬質な板を入れたセミハードタイプのバッグはすでに存在したが、POWERPADバッグはクッション性の高い素材を幾重にも重ねることで、バッグの持ち味である軽量さと手軽さを保持したまま、保護性能を飛躍的に高めたことが特徴。
  また、ファスナーの色にTAMAのブランドカラーである赤を取り入れたり、ヘッドを覆う丸い面に高級感のあるPVCを採用するなど、デザイン性を重視したことも新しい試みであり、より多くのドラマーから支持されるきっかけとなった。後にPOWERPAD Designer Collectionシリーズという、よりデザイン性を追求したバッグがラインナップされるが、それもこのPOWERPADバッグの成功体験に裏打ちされた物であることは疑いがない。

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  ブランド創設以来、ハードウェアにおいて豊富な機能と高い安定性を追求して来たTAMAが、ドラマー界のレジェンドPeter Erskineと共に開発した、“フラットベース”タイプのシンバルスタンド。そのビンテージライクな細身のルックスでありながらも、上段部分を中空のパイプではなくロッドとしたことで、高い安定性を確保。ライドシンバルをセットしてもしっかりと支えてくれるとして、多くのユーザーの期待を良い意味で裏切り、好評を博した。
  このシンバルスタンドで高い評価を得たことを受け、2018年にはHH55F ハイハットスタンド、HS50S スネアスタンド、そしてHP50ドラムペダルを立て続けに発表。The Classic StandシリーズとしてTAMAの一翼を担う人気シリーズとなる。
  どのモデルもルックスに相応しいコンパクトさと軽量さはもちろんのこと、手が触れる部分の丸みを帯びた形状やセットアップ/ティアダウンのし易さを考慮した設計による使いやすさも、ユーザーから高く支持される要因となっている。「ビンテージ」という言葉が持つイメージに寄り添いながらも、その時々に持てる知見を最大限駆使して練り上げるTAMAの高い開発力を窺わせる商品と言えるだろう。

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  STAR Drumの中でも特に際立った個性を備えた最高級スネアシリーズ。ドラマーのイマジネーションを広げる新しいサウンドの探究というコンセプトの下、生み出された。そのため製法や仕上げ、マテリアルの組み合わせなど、それぞれのモデルに異なった工夫が凝らされ、斬新なサウンドとルックスを実現している。
  それぞれのキャラクターが際立っているため多様なモデルが乱立しているように思われがちだが、これらには明確な共通点がある。それが既存モデルの焼き直しが存在しないことだ。各モデルには今までにない新しい要素を盛り込まれ、既存モデルとは一線を画すサウンドを志向している。中にはまだ確立していない製法に挑むケースさえあるが、そこで獲得された技術が他のモデルの製法に波及するなど、新たな知見の発掘につながることも多い。
  ハイエンドモデルという言葉に留まらず、ドラマーにとっても、そしてTAMA自身にとっても新たなインスピレーションを引き起こすために重要なシリーズと言えるだろう。

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  2000年代以降、ストリートなどで演奏するスタイルが流行するのに合わせて、持ち運びに便利な「コンパクトキット」の人気が徐々に熱を帯びて来た。その流れに当時流行の兆しを見せていたビンテージテイストのルックスを組み合わせたのが、このClub-JAM Kit。小口径ながらもしっかりとドラムの音を奏でられるポテンシャルが人気を集め、その後14"口径のバスドラムをフィーチャーしたClub-JAM Flyer (2020年)、全てのドラムシェルをバスドラムに収めることのできるClub-JAM Suitcase (2021年)、そして超浅胴を採用したClub-JAM Pancake (2022年)と、様々な演奏スタイルに合わせたシリーズへと発展していくこととなった。

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  それぞれのモデルのサウンドコンセプトを、グレードの枠に捉われない自由なスペックの組み合わせによって実現するというS.L.P.スネアドラムのコンセプトを、ドラムセットに展開したシリーズ。既存モデルのパーツを組み合わせるのみならず、タムタムやフロアタム用のウッドフープを新たに開発したり、ダイレクトマウントでありながらサスペンションマウントの効果を狙った新設計のDirect Flexi Mountを採用するなど、S.L.P. Drum Kit独自の機能を備えることで大きな注目を浴びた。また、シェル材も王道のメイプルに加え、ヒッコリーやカポールといった珍しいシェルのモデルをラインナップするなど、ユニークな挑戦が数多く行われた。
  グレードによるスペックの固定化が進みやすいドラムシリーズにおいて、常に新しいことに取り組み続けるTAMAの遺伝子が色濃く現れたシリーズとも言えるだろう。

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  TAMAで唯一となるダイレクトドライブのドラムペダル。一般的にダイレクトドライブと言えば、その「遊び」を一切排除した構造ゆえに高速フットワーク向けペダルだと言われるが、その独特な踏み心地のためにプレイヤーを選ぶペダルとして知られている。このDyna-Syncペダルは、そのダイレクトドライブの基本構造を踏襲しながらも、カムとフットボードを繋ぐダイレクトリンクの構造に趣向を凝らすことで、ダイレクトドライブとチェーンドライブの長所を融合。これによりダイレクトドライブとチェーンドライブというカテゴリーに収まらない、自然な踏みやすさを実現している。
  実は、企画時にCobraペダルの１種類として発売するかどうかという議論が行われた。しかし、そのアクションがCobraペダルとは明らかに異なっていること、そしてCobraペダル特有の多様な調整機能が省かれたことから、独自のシリーズとして発売されることに決定。Dyna-Syncの名称の由来は「ダイナミック (Dynamic) なアクションとパワー、足とシンクロ (Synchronization)したようなレスポンスの速さとコントロール性」である。

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  本物のドラムセットを叩いているような演奏感とともに、強い没入感を持って練習に打ち込むことができる新しい練習キット。
  ドラムの練習にとって最大の問題は音量である。その解消を優先するため、これまでの練習キットでは叩いた時のフィーリングや音のレゾナンスといった、ドラムの楽器としての要素は捨象されることが多かった。このTrue Touch Training Kitは、たとえ音量を絞った練習パッドであっても、本物の楽器の持つ演奏感の延長線上に存在するべきというコンセプトの下で開発されている。
  一般的な練習キットでは、一つの構造で作られたパッドをスネア、タム、フロアタムという各ドラムに展開しているケースが多い。一方でTrue Touch Training Kitでは、バスドラム、スネア、タム、それぞれのパッドが独自の構造で設計されている。これもそれぞれの固有のサウンドやレゾナンスを演奏感を実現するにはどのような音であるべきかという視点で捉え直し、練習パッドとして許容される音量やコンパクトさの中で表現しようとしたため。それによって実現されたアコースティックドラムに近いサウンドと打感は、練習キットに強いこだわりを持つアーティストやユーザーから高い評価を得ている。
  練習キットの世界は長年電子ドラムが席巻する時代情勢の中、叩いた音そのものに向き合うという新しい練習キットの在り方を提案した商品と言えるだろう。
  2022年には、関連商品としてスタンドから床に伝わる振動を低減させるIso-Base Sound Reduction Padを発売。スタンドが床と接する部分に置くだけでという手軽さによって、自宅でTrue Touch Training Kitや電子ドラムでの練習に取り組むドラマーから高く評価されている。

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